今日も過去問を使ってしっかり国家試験対策をしていきましょう!!
今日のテーマは「漿膜」です!!
これ、国家試験の勉強では時々見るけれど、病棟ではほとんど登場しないワードですね!
だからこそ、しっかり覚えておきたい!国家試験にも出ているのでしっかり覚えていきましょう!
第104回 午後28問
膀胱で正しいのはどれか
1.漿膜で覆われている
2.直腸の後方に存在する
3.粘膜は移行上皮である
4.筋層は2層構造である
さあ、もう蕁麻疹が出そうなくらい発狂している人もいそうですね!!
この問題、一般問題なんですが、かなーり解剖生理について熟知していないと正解が導き出せない問題です。それだけ解説しがいがありますね!!!まずは用語の確認をしましょう。
漿膜とは
漿膜とは腹膜、胸膜、心膜など体の主要な臓器を覆う薄い膜のこと。臓器の保護や臓器同士の摩擦を軽減する役割を担っている。
ちょっとややこしいというか、覚えにくいですね・・・
私のオススメは漿膜が何かというのを理解しようとするよりも、漿膜で覆われていない臓器がいくつかあるので、それを覚えることです。なぜかというと、地味にこの手の問題は国試に出ます。というか、ダイレクトに漿膜で覆われていない臓器はどれか、みたいな聞き方をする問題は無いけれど、臓器について正しいのはどれか選びなさいみたいな問題の選択肢の一つによーく出てくるのがこの漿膜!!なので、漿膜で覆われていない臓器を覚えましょう!
漿膜で覆われていない臓器とは、食道・精巣・膀胱・尿管です!そしてもう一息!漿膜が無いとどんなデメリットがあるのか。それは癌が転移しやすいです。これ頭の片隅に覚えておいてね!!!
ここまでの知識を身につけてもこの問題は選択肢1を消去できるだけっていうホントに力を試される問題ですが・・・粘り強く頑張りましょう!!
後腹膜臓器について
後腹膜臓器って聞いたことありますか?この問題の選択肢2の「直腸の後方に位置する」っていう表現に違和感を感じた人は多いのではないですか?
後腹膜臓器とは、文字のごとく腹膜よりも後ろ側にある臓器のことを言います。つまり背中側にある臓器のことです。内臓ってお腹を切り開いたらぜーんぶ上から見えるかって言ったら見えないんですよ!当たり前じゃーんって言われそうですが、???って思った人もいるのでは?
有名なのは腎臓かな?腎臓に石ができたり何かしら疾患があるときって「背中が痛い」って訴えるんですよ。だって腎臓はお腹ではなく背中側にある臓器だから。腹膜の前側にあるのか、後ろ側あるのかは痛みの場所の違いとしても出てくるし、手術の体位の違いとしても出てきます。なのでその内臓が腹膜の前側にあるのか後ろ側にあるのかという知識はとってもとっても大事です。そしてこの知識についても国家試験でよく問われます。今回の問題の様に選択肢のひとつとしてひょっこり出てくるんですね!!!恐るべし!嫌だなあと思うかもしれないけれど、ここも手堅く後腹膜臓器として覚えちゃいましょう!!
後腹膜臓器・・・腎臓・副腎・膵臓・尿管・腹部大動脈・下大静脈・上行結腸・下行結腸・直腸の一部
これだけあります。覚えるのが大変だと思ったあなた!まずは腎臓・膵臓・尿管だけは覚えて!この臓器がらみの疾患はだいたい背中を痛がるから!!叩打痛って言って、背中を叩くと響くように痛いっていうやつね!!
この知識があれば、膀胱はそもそも後腹膜臓器ではないし、後腹膜にある直腸よりも後方に膀胱があるわけないなって考えることができて、選択肢2が消去できますね!!やれやれ!!
膀胱について
ここにきてやーっと膀胱について語れます!!しかーし!膀胱についてはかなり語りたいことが多い上に、情報量がめちゃ多くなるので、今回はこの問題をさくっと解説するだけにとどめて、膀胱は膀胱単独で記事にしたいと思いまーす!!
膀胱の構造は
①粘膜・・・移行上皮
②筋層・・・平滑筋(内縦層・中輪層・外縦層)
③外膜・・・線維性結合組織
となっています。よって粘膜は移行上皮であるという選択肢3が正解となります。
膀胱についてのブログ記事はこちらからどうぞ!
まとめ
今回は漿膜について、そして後腹膜臓器についてをメインに解説しました。ちょっと覚えることばかりであんまり楽しい回では無かったですがどうでしょうか。国家試験に役立つ知識を身につけて合格に一歩でも近づきましょう!!
質問、ご意見なんでもどうぞmailto:caipingye60@gmail.comまでお気軽にメールをくださいね。
こんな白衣を着て仕事がしたい・・・